発達障がい者支援と子育て③スケジュールボードの活用

発達障がい者支援と子育て
我が家では、子育てに発達障がい者支援の要素をいくつか取り入れています。
それは、発達障がい者支援が以下の点で子どもにもわかりやすいためです。
- 口頭理解が難しい人でも理解しやすい
- 見通しが持ちにくい人でも見通しを持って活動できる
- システムの理解が難しい人でも理解しやすい
今回は、「スケジュールボードを久しぶりに活用してみた」話です。
久しぶりに活用したスケジュールボード
スケジュールボードを最初に活用したのはこどもが2歳の頃だったと思います。
自我がだんだんと強くなり、保育園から帰った後の日課(ごはん、お風呂、歯磨きなど)が思うように進まなくなり、見兼ねた旦那さんがスケジュールボードを作ってくれたのが始まりです。
夫婦ともに発達障がい者支援で使っており馴染みのあるツールだったためすんなり使い始め、こどもの成長や活動の変更に伴い何度かリニューアルしながら使っています。
ただ、今はルーチンの活動はスケジュールボードがなくてもすっかり定着していること、多少の変更であれば口頭の説明で受け入れられるので、普段は使っていません。
しかし、今日は久しぶりに使いました…
スケジュールボードって何?
スケジュールボードとは、スケジュールを視覚的に理解しやすく示したものです。
使う人の理解度に合わせて作るので、さまざまなタイプがあります。
●形状
- ホワイトボードにカードを貼って使うタイプ(1つ終わったら剥がす)
- 印刷してあり、チェックを入れていくタイプ
●カードのタイプ
- マークのカード
- 絵カード
- 写真カード
- ひらがなカード
- 漢字含む文字カード
●長さ
- 休憩までの1ターン
- 朝、午前、午後、帰宅後
- 朝、日中、帰宅後



イレギュラーが気になって仕方ない
先日、図書館で借りてきたひさかたチャイルドの「チョコレート」という本。
チョコレートの原料はどんなもので、どうやって作られて、自宅でのクッキング例も載っているとても面白い本です。
カカオの実があんなにも大きいものだなんて、この本を読んで初めて知りました。
それを読んだこどもが「チョコレートのお菓子(バレンタインで手作りするようなものをイメージしてください)を作りたい!」と言いました。
まぁたまには、お休みの日にならいいかなーと思い了承。
そして三連休初日に「チョコレートはいつ作る?」と聞いたところ「あした!」とのこと。
土曜日のうちに必要なものの買い物を済ませ、日曜日の朝を迎えました。
のんびり過ごしたい日曜日の朝。
まさかの彼は起きて2〜3言会話をした後、「チョコレートパーティーの日だ!!チョコレート作ろう!!」と元気いっぱいに宣ったのです。
ちなみに、前日に「チョコレートは朝ごはん食べてから作ろうね」とお話してありました。
しかし、もう起きてすぐ、今この瞬間から作る気満々のこども。
それは無理です…こちらの都合もありますし、朝ごはんもきちんと食べてほしい。
もう一度口頭でスケジュールを説明しますが、「えー、でもすぐ作りたーい」と、受け入れてくれる気配がありません。
でもこの感じは初めてのことではなく、去年のクリスマスも朝起きた瞬間から楽しみにしていた恐竜のクリスマスケーキを食べたいと大騒ぎでしたし、ゲームやお出掛けが気になればその前にしなければいけないことが頭からすっ飛んでしまうことはわかっていました。
すっ飛んでしまうことの理由としては
- 口頭説明がわかっているようでわかっていない
- 予定が気になりすぎて、口頭説明を忘れてしまう
- 予定に着目しすぎている
- 予定までの見通しが持てないので気持ちが落ち着かず、普段のルーチンに乗れない
が挙げられるかと思います。
これでは落ち着いて朝ごはんも食べられないでしょうし、そもそもトイレにも行かないつもりのようです。
そこで「スケジュールを確認しようね」と話して、私はのそのそと布団から這い出したわけです。
スケジュールを示した途端に
そして作ったのがこちらのスケジュールボード。

周りにパウパトロールのシールが貼られているのは、愛着を持ってもらうために自由に貼らせたものです。
スケジュールボードは上から下へ進みます。
このスケジュールは「トイレ」「喘息の吸入」「朝食」「着替え」「料理」です。
これを示した途端、「トイレいこー」と1つ目の予定をこなし始めてくれました。
- チョコレートのお菓子作りまでの見通しが持てた
- こなさなければいけないものがいつものルーチンであることを理解し受け入れられた
ということが理由かと思います。
その後は普段通りに喘息の吸入をし、普段通りにのんびりと朝食を食べ、着替えをすることができたのでした。
もしもここでスケジュールボードを示すことをしなかったとしたら、事あるごとに「チョコレート!」「お菓子!」「パーティー!」と慌てては「ちゃんと後でやるからまずは朝ごはん!!」と私に怒られ、慌ててパンを口に詰め込み、「もう食べられない!(お腹いっぱいなんじゃなくて気になりすぎて)」と言い、「しっかり食べて」と怒られていた事でしょう。
スケジュールボードが必要な理由
こどもにとっては不必要に怒られない方がいいですし、親だって怒っていたいわけではありません。
そもそも、こどもが予定が気になりすぎで他のことが手につかない状況になってしまうのは、環境のせいでもあるのだと思います。
- 気になる予定までの見通しが持てない
- 何をしたら気になる予定ができるようになるのかわからない(日課の理解)
- いつになったら気になる予定ができるようになるのかわからない(時間の理解)
そしてその環境を作り出しているのは私たち親なので、必要&可能な範囲でこどもが理解できるように伝えてあげることが必要なのだと思います。
「本人の理解度に合わせて」「視覚的にわかりやすく」伝え、「何度も繰り返してシステムを理解してもらう」ことで、ある程度落ち着いて自立的に予定をこなしていけるようになるのではないでしょうか。
そしてこどもがスケジュールボードを理解し使えるようになると、不必要な軋轢がなくなるので(準備と慣れるまでは面倒と思われるかと思いますが)おすすめしたいポイントでもあります。
スケジュールボード取り扱いのルール
スケジュールボードには取り扱いのルールがあります。
- 順番は上から下へ、もしくは左から右へ
- 予定が変更になりカードを交換する場合には、本人に説明する
- カードの貼り替えは、こどもにはさせない(終わったカードを外すのはこども本人でOK)
このルールの中で、「カードの貼り替えはこどもにはさせない」はとても重要です。
予定の組み方を決めるのは親であり、調整も親がすることを徹底します。
こどもがしていいのはしたい活動の希望を伝えたり、順番の希望を伝えること。
それが受け入れ可能か、実行可能かを判断して予定を組み立てるのはあくまで親の仕事になります。
ここをあやふやにしてしまうと、「この予定は嫌だからやらない」「歯磨きはご飯の前に済ませる!」などの不都合が出てくる場合があります。
最後に
今回はスケジュールボードを子育てで活用している話を書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
実際に使っているもの(歯ブラシやカバンなど活動の象徴的なもの)の写真をプリントしてそのまま使ってもいいでしょうし、簡易的にイラストを描いてスケジュールを作ってあげてもいいと思います。
実際に私も、出先で必要になった場合はスマホのメモアプリでイラストを描いて簡易スケジュールを作ることがよくあります。
使い慣れていなくても、見てわかりやすいものにはよく着目してくれたりするので、「ルーチンがなかなか定着しない」「イレギュラーな予定が苦手」「イレギュラーな予定が気になって仕方ない」というお子さんにはぜひ試してみて欲しいと思います。

就労継続支援B型事業所イアンべの副代表。ルーテル学院大学福祉学科卒。大学在学中から知的障がい者余暇活動グループのボランティアに参加、卒業後は知的障がい者施設や発達障がい者専門支援施設 横浜やまびこの里に勤務。また、企業主導型保育園総務リーダーを担い、手ぶら登園の推進に努める。2024年仙台に移住、クリーニング師取得。執筆中の大半は膝の上に猫がいる。


